効果的に使うには?

kintoneは「ノーコードでアプリが作れるツール」という印象が強いですが、それは一面にすぎません。実際には、組織管理やデータ管理、プロセス管理など多様な機能を備えた“統合型ツール”です。

ただし多機能さゆえにマニュアルは肥大化し、学習コストが高くなる点は注意が必要です。現場では「少し触るのが億劫」という声も。そこで、Webエンジニアの視点から効果的な使い方を考えてみます。

チームや部署の単位で使いましょう
kintoneは数十名~百名規模の利用に最適です。小回りが利き、権限や業務フローも整理しやすいため、運用が安定しやすくなります。
プロセス管理に使用しましょう
kintoneはプロセス管理機能が最大の強みです。誰が次に対応すべきかを明確化し、業務の停滞を防ぎながら効率的に進行できます。
担当者を決めましょう
kintone運用には管理担当者が不可欠です。権限設定やアプリ設計を統一し、利用者の混乱やアプリ乱立を防ぐ役割を担います。
外部リソースを活用しましょう
自社だけで抱え込まず、外部のkintoneパートナーを活用することで専門知識や開発力を補い、運用の質と効率を高められます。

チームや部署の単位で使いましょう

kintoneは「ノーコードでアプリが作れる便利なツール」として知られています。でも、実際に効果的に使うには、導入する単位の規模がポイントになります。。 私の経験から言うと、数十名~百名程度の中小規模のチームや部署での利用が最も適していると感じます。

なぜ中小規模のチームが向いているのか?

1. 運用がスムーズ
小さなチームなら、誰がどのアプリを使い、どの業務フローを担当するのかが自然と見えてきます。プロセス管理や権限設定もシンプルで、迷子状態や混乱が起きにくいのです。
2. コミュニケーションが取りやすい
顔の見える範囲のチームであれば、アプリの改善やルール変更も柔軟に対応できます。担当者同士のやり取りもスムーズなので、導入初期でもスピーディに定着できます。
3. プロセス管理や権限管理のメリットを最大化
「誰が・いつ・何をすべきか」がはっきり見えることで、チーム全体の生産性は大きく向上します。情報漏洩や操作ミスなどのリスクも管理しやすくなるので安心です。

大企業での使い方

一方、数千人規模の全社導入をいきなり進めると、アプリの数や承認フローが複雑化し、管理者を専任で置かないと混乱が避けられません。 アプリの重複や「どれを使えばいいのか分からない」といった声も出やすく、大掛かりな運用ルールや管理体制が必要になります。そこでおすすめなのが、まずは部署やプロジェクト単位での導入です。

  • 営業部門の案件管理
  • 管理部門の申請・承認フロー
  • 開発部門のタスク進行管理

このようにスペースを活用して小さく導入し、成果を確認しながら徐々に広げていくのが、大企業での成功パターンです。

まとめると、kintoneは「中小規模のチームや部署」でこそ真価を発揮するツールです。 ただし、大企業でもスモールスタートを切れば、混乱を避けつつ確実に定着させることができます。

まずは小さな単位で導入し、その効果を全社へと広げていくことをおすすめします。

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プロセス管理に使用しましょう

kintoneの多彩な機能の中でも、とりわけ注目すべきはプロセス管理権限管理です。

プロセス管理で業務をスムーズに

プロセス管理を正しく設定すると、「誰が・いつ・何をすべきか」が明確になり、タスクの停滞を防げます。

  • 承認待ちの申請書が机に放置される心配が減る
  • 担当者不在時でも次の行動が自動で見える化される
  • チーム全体の業務スピードと精度が向上する

こうしてタスクの流れを可視化することで、チーム全体の生産性がぐっと高まります。

権限管理で情報の安全と効率を両立

権限管理もkintoneの大きな魅力です。必要な人だけが必要な情報にアクセスできる仕組みを簡単に作れるため、情報漏洩のリスクや誤操作を防ぐことができます。

  • セキュリティ面の安心感が得られる
  • 情報の錯綜や誤操作を防止できる
  • 特に情報管理が重要な部署では“運用リスクを減らす保険”として機能する

ノーコードフォーム作成や社内SNS的は?

一方で、ノーコードで作れるフォームや、社内SNS的なコミュニケーション機能についてはどうでしょうか。

これらは確かに「簡単に使える」ことが強みですが、実際には他のクラウドサービスや専用ツールで十分に代替可能です。フォーム作成であればGoogleフォームTypeform、古くはMicrosoft Accessもノーコードと言えるでしょう。社内コミュニケーションならSlackTeamsなど、すでに広く利用されている選択肢が多数存在します。

つまり、これらの部分だけを目的にkintoneを導入するのは、コストや学習負担を考えると効率的とは言えません。

kintoneの真の価値はここにある

結論として、kintoneを活用する上での真の価値は「プロセス管理」「権限管理」に集約されていると言えます。ノーコード開発ツールという側面だけに注目してしまうと、せっかくの強みを活かしきれず、結果として「宝の持ち腐れ」になってしまうのです。

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担当者を決めましょう

「kintoneは誰でも使えるノーコードツールだから、担当者は必要ないのでは?」そう考えて導入を始める企業も少なくありません。 しかし実際の現場では、アプリの乱立権限設定の不備ワークフローの滞留といった課題がすぐに表面化します。

原因は明確で、全体を見渡して整理・設計できる“担当者”がいないことにあります。

なぜ担当者が必要なのか

アプリ設計の統一性を担保する
似たようなアプリが乱立すると、データが分散して使いづらくなります。
権限・プロセスを整理する
「誰が」「どこまで」情報を扱えるかを定めないと、セキュリティリスクや業務停滞を招きます。
ユーザーサポートや改善をリードする
現場からの要望を吸い上げ、反映していく役割は欠かせません。

こうした調整役が不在だと、せっかくのkintoneも“便利なツール”から“管理しきれない負担”へと変わってしまうのです。

社内に担当者を置けない場合の解決策

とはいえ、中小企業では「ITに詳しい担当を置けない」という声もよく聞かれます。

そこで有効なのが、外部のkintoneパートナーに担当業務を委託する方法です。 外部パートナーを“専任担当者”のように活用することで、以下のメリットが得られます。

  • CSSやJavaScriptを使った高度なカスタマイズをスピーディに実装
  • アプリ設計の指針づくりや社内ルールの標準化をリード
  • トラブル対応や改善提案など、継続的な伴走支援を提供

つまり、社内に専門人材を抱え込まなくても、外部の力を借りれば“安定した運用”“柔軟な改善”の両立が可能になります。

当社はkintoneの外部パートナーとして、導入から運用、CSS・JavaScriptによるカスタマイズまで伴走支援いたします。

「担当者を置けない」「もっと効果的に運用したい」といった課題があれば、ぜひご相談ください。

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外部リソースを活用しましょう

kintoneは「誰でもアプリを作れる」ことが大きな魅力です。 ドラッグ&ドロップでフォームを作成し、すぐに業務アプリを立ち上げられる──その手軽さに惹かれて導入する企業は多いでしょう。 しかし、実際の運用が進むにつれて、こうした課題に直面するケースも少なくありません。

  • もっと見やすい画面にしたい(CSSの調整が必要)
  • 入力を自動化したい、他システムと連携したい(JavaScriptやAPI連携が必要)
  • アプリ同士の動きをカスタマイズしたい(プラグイン開発が必要)

つまり「基本機能だけでは足りない」「ノーコードでは限界がある」という瞬間が必ず訪れるのです。

ここで大きな差を生むのが、外部リソースの活用です。

1. 見やすさ・使いやすさの追求(CSS)
標準の画面はシンプルですが、ユーザーの直感的な操作性までは十分ではありません。 CSSを用いて画面デザインを調整すれば、入力効率が上がり、現場に浸透しやすくなります。
この領域はノーコード利用者にとって特にハードルが高いため、外部の専門家がいると安心です。
2. 自動化・効率化の実現(JavaScript)
「入力チェックを自動化したい」「ワンクリックで複数アプリを更新したい」「基幹システムとデータを同期したい」──これらはJavaScriptの力が欠かせません。
外部開発者であれば、短期間で堅牢なカスタマイズを実装でき、社内担当者が試行錯誤する時間を大幅に減らせます。
3. 将来を見据えた拡張性
最初は小さなアプリでも、利用が広がるにつれ「もっとこうしたい」という要望は増え続けます。
CSSやJavaScriptでの拡張を前提に設計しておくことで、将来のスケールアップにも耐えられる運用基盤を築けます。

中小企業では「社内にエンジニアはいないけれど、業務改善は進めたい」という状況が珍しくありません。
こうした場合、外部の開発パートナーを“伴走者”として活用することが、kintoneを最大限に生かす近道になります。

「自分たちでできる範囲は社内で、CSSやJavaScriptのような専門領域は外部に」──。 この分業のバランスをとることで、kintoneは“ただのノーコードツール”から“自社に最適化された業務プラットフォーム”へと進化していくのです。

当社では、kintoneの導入からCSS・JavaScriptを用いた高度なカスタマイズ、運用改善まで一貫してサポートしています。

「もっと使いやすくしたい」「こんな自動化はできないか」といったお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

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費用相場

開発支援

30万円〜

  • 業務フロー整理
  • Excel/CSVデータ移行
  • 外部サービス/API連携(会計、SFA、Slack等)
  • JavaScriptカスタマイズ
  • プラグイン開発
金額はアプリの規模やカスタマイズの内容、JavaScriptやCSSを用いた高度な設定、他システムとの連携の有無によって変動します。
まずはヒアリングを通じて御社の業務課題や要望を把握し、最適なプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
運用・保守支援

5万円〜

/月

  • 月次アプリ改善・追加対応
  • 権限・セキュリティチェック
  • 軽微な不具合対応
  • 定期バックアップ・データ管理
  • 社内レクチャー
料金は利用アプリ数やユーザー数、アクセス権管理やプロセス管理の複雑さ、定期的な改善提案やトラブル対応の範囲によって変動します。
専門スタッフが運用状況を把握し、設定変更や改善提案、ユーザー教育まで一貫してサポートすることで、安定した運用と業務効率向上を実現します。

無料相談はこちらから。kintoneの導入・カスタマイズ・運用に関するご相談はもちろん、その他のご質問やお悩みもお気軽にお問い合わせください。

著者略歴
1973年東京都生まれ。京都大学大学院工学研究科を修了後、製薬企業でバイオインフォマティクス研究に従事。その後、バイオベンチャーでソフトウェアエンジニアとして勤務し、独立を経て2009年に株式会社アトアグランスを設立。
2児の父。最近の趣味はSAPIXの算数問題を解くこと。

著者画像

小関洋平(Web侍)

株式会社アトアグランス シニアアーキテクト

kintone認定アソシエイト